平沢進の解析ほど、興味深く意味の無いものはない

またしてもけったいなことをつぶやき始めた

@hirasawa 進行状況詳細:現在A-38の作業は第4ステージにあり、部門CT-1131を終え、その次のCT113Bに取り掛かろうとしている。諸君が固唾を呑んで見守る作業KK-8BQ6-77に到達するには、鶴-48問題の障壁があり、鹿-QFX3から音源の桜-B1を借用する必要がある。

@hirasawa ここまで詳細に公開したのは初めてである。

@hirasawa 進行状況詳細:作業CT-133Bを終了。15年前の環境を仮想構築するため、ステージは迂回して第4-OFFSET-C(コード名:活火山)に移行する。活火山は即座に使えるフリーウエアを探すために30分の検索が許されている。30分で検索が終了しない場合は「ギニア人の手」へ移行する。

@hirasawa 発見した。「Kotkas soft」の「Paax 2」をダウンロード中。これで危険を伴う「ギニア人の手」を実行しなくてすんだ。

確かに詳細な状況公開だ(ここは笑うところです)
ただ、この一連のツイートの前にフロッピーが云々バックアップが云々と平沢がつぶやいていたことを考慮すれば、もちろんここで語られているのはライブへ向けた過去音源の救済だろう(違ったらゴメン)
で、ググるとこの「「Kotkas soft」の「Paax 2」というのはフリーなのにAKAIのS6000向けファイルもサウンドフォントも読み込めるソフトサンプラーであるらしい。
AKAIのS6000とは http://eco.nikkeibp.co.jp/style/eco/interview/070216_solargene3/ の写真の左下にちょっこっと映ってる高級サンプラーのこと(データ保存形式はフロッピーディスク
フロッピーが腐っていたのでAMIGAからバックアップを取り、そのバックアップを即座に利用できるソフトサンプラーを探したわけだ。もしも30分で見つかっていなかったら、そのバックアップをもう一度フロッピーに焼きS6000に挿すつもりだったのだろう(なぜそれをギニア人の手というのかはわからんが)


ここで素晴しいのは15年前の環境をDAW上で仮想構築できるソフトがウェブでフリーに手に入ること、そしてヒラサワが迷わず、やはり機能が強化された有料版の「Paax 3」ではなくフリーの「2」を入手していることであるw
ただし、(「w」こそ付けたが)ここは笑うところではない。
かしこさん(@takasiko)の http://moderoom.fascination.co.jp/modules/DayScanner/archives/753 における発言を引用するのが手っ取り早い。

「(ヘブナイザーについて)しかし、ここで重要なのは、貧乏を努力と創意工夫で乗り越えたということではない(笑)。
自分の望む効果さえ得られれば、あり合わせの素材でかまわない、という態度である。
そのうえ世間を騙せたら愉快というひとの悪さ。
これは今まで続く平沢進の一環した態度である。」

平沢進ツイッターを始め、作業を公開したことの一つのメリット。それはヒラサワが「検索パワー」によって、全世界の見知らぬ人々の知恵や技術の恩恵の上で自らの才能をフルに発揮していく様子がリアルタイムに解ることだ。
「ああいうことしたいな〜」→「でもフリーのがいいな〜」→「検索しよ〜」→「よっしゃ発見!」
これは私にとって、とてもロマンに満ち溢れている現象なんですがみなさんどうでしょう(笑)
ちょっと矛盾するかもしれないけど、たとえば『点呼する惑星』のシンセの使い方とかも「こういう音を出したいからあのシンセを使う」ということより「フリーのソフトシンセ(『synth1』)だけでアルバムのシンセを賄ってやろう!」という野望のほうが勝っていると思うんですよね。


特にオチもなくこの話は終わります。
ただ「桜‐B1」ってもしかして http://www.zoom.co.jp/japanese/products/b1/index.php のことか…?
そうだとすれば「鹿-QFX3」はベーシストかな(あくまで妄想)