「凝集する過去 還弦主義8760時間」フィナーレ 東京異次弦空洞 @ SHIBUYA-AX

整理番号はなんと9番。最前ゲット…となるはずが、SHIBUYA-AXの入場システムを良くわかっていなかった為に列に並び遅れる(もったいなかった…)。結局30番ぐらいで入場し前から2列目の右側(タルボがあった方)に陣取る。たまたま付近に先日のバルト9今敏追悼上映で知り合った方がいて、話しているうちにすぐ開演へ。

「凝集する過去 還弦主義8760時間」フィナーレ

東京異次弦空洞

2011年1月14日(金) 18:00 開場 19:00 開演
会場: SHIBUYA-AX
ゲスト: Neng, Rang
01: アート・ブラインド (Neng & Rang) / 突弦変異
02: DUSToidよ歩行は快適か? / 突弦変異
03: CHEVRON / 突弦変異
04: MOTHER / 変弦自在
05: Another Day / 突弦変異
06: ミサイル / 突弦変異
07: サイレン*Siren* / 変弦自在
08: 金星 / 変弦自在
09: GOES ON GHOST / 突弦変異
10: 夢みる機械 (Neng & Rang) / 変弦自在
11: バンディリア旅行団 / 変弦自在
12: LEAK (Rang) / 突弦変異
13: Solid air / 突弦変異
14: ASHURA CLOCK / 突弦変異
15: 環太平洋擬装網 / 変弦自在
16: トビラ島(パラネシアン・サークル) (Neng) / 変弦自在

EN
17: WIRE SELF / 突弦変異
18: ルクトゥン OR DIE (Neng & Rang) / アルバム未収録 (2001)

  • セットリストを見れば分かるように選曲は『突弦変異』『変弦自在』全曲+「ルクトゥンオアダイ」という事前に予測できまくった内容。正直いつものノンタラ・ライブの感じでこのセットリストだったならば非難轟々だっただろう。だがしかし今回は違った。何が?
  • 場所を取り、舞台を見てストップメイキングセンス!と叫んだ馬の骨は果たしてどれくらい居たのだろう(居たら友達になろう)。流石にバケツや脚立は置いてなかったが、ステージ上に何も楽器が置いてなかったことは確かだった。急にアコギを抱えた平沢進が登場して「サイッコキラァァ」とか歌いだすはずもなかったが、楽器が徐々に運ばれてくるのは容易に想像できた。でも流石にどうやって運ばれてくるかまでは想像できなかった。どうやって?
  • こうやったのだ。

D

マジで笑った。サイコーだった。最初はゲストのNengとRangにハンマーで叩くと音が出る(という設定)の装置を左右に運ばせて、さあ師匠はどうするのかなと思ったらSHIBUYA-AXのデカいステージの正面奥からサイレント・チェロの乗った山台を運ぶ…いや、引っ張ってきた。で、サイレント・チェロを弾きながら「王〜の名〜はロ〜オ〜ニア!」と歌うもんだからファンにはたまらない演出。「ああ、やっぱこの人は自分が何であるかを本当によく分かっているな」と心から思った。

以下雑感。

  • レーザー・ハープを美しく弾くコツは「下からではなく上からも弾く」「左側にあるレーザーをあえて右手で弾く」なのだな。「DUSToid」は特にカッコ良かった。
  • 「CHEVRON」前にRang(多分)にタルボが乗った山台を引かせるも、ケーブルに台車が引っかかり前に進まなくなるというアクシデント発生。「どうした?」といった感じで振り向く師匠が良し。平沢進はマン・マシーンであるがゆえに人間っぽい動きをするとファンが喜ぶという人間らしくない男だ。
  • 「Another Day」はもう合唱曲としての地位を確立したね。2553の時も凄かったが今回も盛り上がった。
  • 「サイレン」辺りから少し歌うのが苦しいのか、ハープの仕事が無い時は腹に手を当てて歌っていた。曲によって何故急に音程を外すかは平沢七不思議の一つである。
  • 「金星」で舞台暗転。奥からまたしても山台を引く平沢、今度は上にクラギと変なキューブ状の台が乗っている。そのキューブ状の台に腰掛けてクラギを爪弾く平沢、めったに見れるもんじゃない。
  • 夢みる機械」でも舞台暗転。Neng&Rangによるショートコント?wと共に鳴り響いたテスラコイルに大感激(実は生で見るの初めて)。ああ言う光る楽器は暗闇から急に登場するとカッコイイよねーてなわけでエントロピー!ネゲントロピー!\(`・ω・´)。間奏では平沢クラギソロに加えてNeng&Rangによるグラビトン(テスラコイルをコントロール)乱れ打ち。陽気なRangがタイヤを回しまくり、真面目なNengが真剣にボタンを押す様はまるで東京フレンドパークか何かのアトラクションの様だった。それを見つめる平沢の顔たるや。
  • 「バンディリア」が曲としては一番ジーンと来たかもしれない。
  • 一旦平沢が引っ込み、気がついたら舞台はサイモン・キャバレー状態。「Leak」をテンポアップ&シンセフレーズ追加した曲に合わせてRangが踊りに踊る。キモチワルくて良かった。
  • ソリッッディアアアア!と絶叫で始まる「Solid Air」。2553のオープニングも良かったが、今回は特にギターソロが白眉。山台からピョーンとか反則。前から二列目だったのでデストロイが丸見え。今回分かったのは意外とデストロイは力が抜けていたほうがカッコ良く見えるということ。自分の真似するデストロイは力が入り過ぎなのだな。勉強になったし、それにもましてカッコ良さが半端なかった!あれ見れるなら6000円とか安いよなぁ。
  • あっというまに「トビラ島」。クラギの山台以外が全て撤収され平沢が朗々と弾き語る…と思ったら展開部でギターを置いて何処かに行ってしまう。舞台の奥からサイモン・キャバレー的な黄金の衣装を召したNeng登場。踊りに魅せられていると舞台前方にマイクスタンド……ん?マイクスタンド…?平沢進がマイクスタンド!?これ20年近くぶりとかなんじゃないだろうか!?最後の「パラネシアン・サークル見よ!。」の歌いきった感半端なかった。とても9分の曲とは思えなかった。カッケー…
  • アンコール。もう平沢が曲頭からギターに立ってボリュームペダル全開にしてる時点で何の曲が来るか分かる馬の骨。ルクトゥンorDIE!ルクトゥンorDIE!の大合唱の中、踊りましょうアナタ状態のゲストとピート・タウンゼント平沢進、もう何が何だか分からんかった。置かれた譜面でギターテクが見えなかったのが残念だったが、2553で思う存分見たから良しとする。
  • ファンお待ちかねのMCタイム。ゲスト紹介からのサイモンキャバレー宣伝。「もう一度二人に拍手を!」でNengはサッと帰るがRangは何時までも客に投げキッスをして帰らない(この真面目と不真面目の対比が今回のゲストの最大のポイント)。平沢がタイ語で早く帰れと支持するとふて腐れるRang。笑う平沢。
  • Twitterは続けること、指令が還元主義サイトで下ること、このライブがいかに自分にとって誤算だったか等を話し「ありがとうございました!」とやけにお行儀よく退場…と思ったら去り際に一言「とっとと帰りなさい!」流石ツンデレ

ここまで演出に凝ったライブは今後そうそう見れるものじゃないだろう(今回は選曲に意外性がなかったこともあったので、その分演出を頑張ったのだから)。いやそれにしても参りました。やっぱこの人スゲーわ。お疲れ平沢&還弦主義フィナーレおめでとう!